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ジル・アパップと読む。
アルジェリア生まれのフランス人ヴァイオリニスト。 12年前、フランス滞在中,artéと言うTV局のドキュメント番組で彼の特集があった。 クラシック出身の彼だが、その演奏はジャンルを超え 民俗音楽、特にジプシー音楽は素晴らしい。 かと思えば、ラベルのソナタもとてもよい。 それ以来、一度ライブで聴きたいと思っていたが、 滞仏中も結局、生で聴けなかった彼の演奏だった。が、 今日、初来日の彼のコンサートが紀尾井ホールであった。 今日のレッスンを変更してもらったのはそのためだったのです。 和幸の生徒さんごめんなさい。 12年前に買ったCDは、バイオリン、ビオラ、ギター、ベースと言う編成の “gilles apap and the transylvanian mountain boys” と言うグループで活動していたが、今回は バイオリン、アコーディオン、ツィンバロン、ベースの “the colors of invention” と言うグループで来日した。 一曲目はクライスラーの「プレリュードとアレグロ」 柔らかくも張りのある彼の音は美しい。 そしてヴィヴァルディの「四季」より先ず春を。 ベースのピッツィカートで通奏低音が四分音符で弾かれそれに続いてジルとツィンバロンのルドヴィット・コヴァッチの口笛からあの有名な旋律が奏でられる。 そして四人のトゥッティ。 基本の通奏低音はベースだが、弦合奏のパートはアコーディオンとツィンバロン。 ステージの上を歩き回り、時に足を組みそのひざにバイオリンを支えて弾く。 (インド音楽などではそういった弾き方をしているのを見たことがある。) 『春』が終わったら次は「夏」では無くアイルランドの民俗音楽。 ツィンバロンの目にもとまらぬ早弾きのソロは素晴らしい。 そんな風に時にカントリー、ジプシー音楽をまじえ 四季は連続してではなく演奏された。 運動性ではチェロより劣るはずのコントラバスなのに、 フィリップ・ノアレの手にかかると、チェロも真っ青。 アコーデオンもクラッシックアコーデオンというものでボタンが225個もあるものを 時に激しく、またあるときは悲しげに とにかく4人ともすごかった。 本当に久しぶりのコンサートだったが、期待以上に楽しかった。 終演後、楽屋へ行き12年前のCDにサインしてもらおうと差し出したら、 「おおコレは古いやつだ」 と喜んでサインしてくれた。 久しぶりにフランス語喋った。
by chitositosi
| 2006-07-20 21:19
| 音楽
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